偲ぶとともに、生きる 偲ぶとともに、生きる

偲ぶとともに生きる

Prologue
偲ぶとともに、生きる

Essential
2022.4.22 Text:Yuriko Hayashi

偲ぶことと、
共に生きていくということを、
もっと知りたかった。

供養という習慣のほんとうの意味は
どこにあるのだろうか?
供養という習慣が
精神的な豊かさをもたらすなんて
絵空事のように思っているけれど、
確信はない。

そこで、供養をしている人々の声を
聞いてみることにした。
“供養とは何か?”
その純粋な気持ちだけではじまった。

事実に耳を傾けると、
どうしてもひりひりするその感触が、
聞きたいことを遠ざけた。
その大切な聖域を知るには
まだまだ未熟であることを、
わたしたちは痛感した。
その底知れぬ喪失を、感じること、
知ること、想うこと。
その中にある幸せも、希望も、
その全てが、
この先の供養を真に優美で
健やかな習慣へと昇華させる
ヒントなのかもしれない。

ご協力いただく人々への感謝の分だけ、たくさんの覚悟をもって、
偲ぶことと、共に生きることを、
時間をかけて学んでいきたいと思う。