銀座 菊廼舎の冨貴寄 赤丸缶 銀座 菊廼舎の冨貴寄 赤丸缶

美味しいお供え

[東京都]
銀座 菊廼舎の冨貴寄 赤丸缶

Culture
2022.7.1

一緒に食べた思い出の味、旅先で見つけた小粋なお菓子。日本全国それぞれの土地で愛されてきた、思わず顔がほころぶおいしいお供えをご紹介します。

赤い缶の思い出

東京生まれの祖父は
チャーミングな人でした。
若い頃は仕事で世界を飛び回り、
現地で知り合った人たちのことを
よく話していたのを覚えています。
書斎には各地のおみやげや
細々とした世界の民芸品が
並んでいました。
ミニチュアの食器に
手作りの素朴な玩具、
小さな木彫りの動物たち……
幼かった私にとって、
その部屋は遠い世界のことを
教えてくれる博物館のようでした。

世界の民芸品や玩具のイメージ 世界の民芸品や玩具のイメージ

私は、祖父の部屋で本を読んだり、
絵を描いたり、
小学生にしては随分と贅沢に
過ごしました。
本棚には必ずお菓子が置いてあり、
宿題を終えたら
自由に食べてもいい、というのが
二人で決めたルールでした。

お供えのイメージ お供えのイメージ

晩年の祖父は、仏教美術や
日本文化に傾倒しました。
歌舞伎や落語にも夢中になり、
第二の人生を謳歌していたように
思います。
銀座にある歌舞伎座には私も
何度かお供しました。
帰りには銀座 菊廻舎に立ち寄って
「冨貴寄」を買って帰りました。
小さなお菓子がぎゅうぎゅうに
詰まった丸い缶は、
私と祖父が一番好きな
おみやげでした。
指先ほどの小さなクッキーに、
砂糖菓子や豆菓子、
金平糖が入った個性的な
江戸の和菓子。
祖父が好きだった素朴で愛らしい
物たちをそのまま
詰め込んだような、
色とりどりのかわいらしいお菓子に
心が弾みました。

冨貴寄 赤丸缶 冨貴寄 赤丸缶

祖父も少年だった頃、
この赤い缶を手にして
ワクワクしたのでしょうか。
今もお菓子を口にするたび、
あの頃の静かな興奮を思い出し、
胸がじんわり温かくなります。
祖父が教えてくれた
豊かな世界のことを、
私も次の世代に引き継げるように。
宝物を愛でるように、
一つひとつ小さなお菓子を
口に運び、懐かしい光景を
思い起こしています。

お供えのイメージ お供えのイメージ

Store information

  • 銀座 菊廻舎

    銀座 菊廻舎

    所在地:【銀座本店】
    東京都中央区銀座5-9-17
    電話番号:03-3571-4095
    営業時間:9:30~18:00
    (土日祝は〜17:30)
    https://www.ginza-kikunoya.co.jp

    冨貴寄

    和風クッキーや金平糖、和三盆などが
    ぎっしり詰まった華やかな和菓子

  • 祈りの道具屋 まなか

    祈りの道具屋 まなか

    所在地:【銀座ショールーム】
    東京都中央区銀座1-15-4
    銀座一丁目ビル 9F
    電話番号:03-5579-5671
    営業時間:10:00~18:00
    (年末年始除く)※予約制
    https://manaka-store.com/

    JOY

    自由に配置や組み合わせを
    楽しめるようにデザインされた
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